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縦の糸はあなた、横の糸はわたし

雑記2018.12.10

 FMからながれてきた 中嶋みゆきの 「糸」、いい歌だ。

糸といえば 家庭科が苦手です。成績は 5段階評価の2だった。玉結びも、ボタン付けも、針に糸を通すことも、すべて すんなりとできない。家庭科でミシンをならったが、それも ボビンのセットやら糸をどこからどこへ通すやら、縫う速度もちっとも定まらず、ちんぷんかんぷんだった気がする。もともと 手先が不器用なのだろう。お気に入りの服がほつれたり、穴があいたりしたときに、ちゃちゃっと繕うことができたらどんなにいいだろう、とずっと思っていた。洋服のリフォームにだすと 高額だし、買った方が安かったりするし。でも いつかできたらいいなーと 思う程度だった、が しかし 子供の幼稚園入園準備とともに 本番は突然にやってきた。上の子の入園準備の説明会で 入園までに用意するもの の袋物類を見てぞぞっとした。座布団カバー、絵本袋、コップ袋、給食袋、はさみ、ねんどべらを入れる袋、お着替え袋、毎日の運動着とスモックをいれる通園用の肩からかけれる袋、袋、フクロ、ふくろのオンパレード。お袋大ピンチである!!おまけにうちにはミシンすらない。できるわけがない、できる気がしなかった。しかし 説明係の先生はこう言った 「無理のない範囲で、お母さんの愛情のこもった手作り品を持たせてあげて下さい。」いやいや 愛情 ありますよ、そらもちろん。やりたくないんじゃないんです、できないんですよ。周りのお母さんたちは 平然として 見本で廊下に並べてある袋物たちを眺めながら 「あー、ここはまつぬいすればいいよね」「裏地あったほうがいいか!」などと話し合っている。そしてその見本品を手に取ると、みんなプロのそれである。わたしには 売り物にしか見えなかった。生まれて半年の下の子をおんぶして ただ どうしたらいいんだろう、と変な汗を流すしかなかった気がする。

そしてどうしたかというと すべて 手芸屋さんにオーダーする、というお金で解決する手口を使った。布を選ぶのさえ どのこの袋にはどの生地が適切なのかわからず 一苦労だった。なんか 手作りできない=愛情がないみたいで 後味がもんのすごく悪かった。コップ袋は既製品を買った。ひとつひとつに その子のものだとわかるようなしるしのアップリケをつけたり、名前をつけたり 、丈をあげたりと それぐらいしかできなかった。そしてそれすらも針で指さしすぎて 血だらけである。上履きに㊨と㊧がわかるように印をつける→上履き、固い。。。またまた 血だらけ。。。合皮でできたリュックにもアップリケをつけるのだが、もう 思考能力が停止していたのだろう、もう アイロンでアップリケつけたれ!とやってみたら リュックの端っこが溶けた(涙)良く考えればわかるっちゅうーの。
でも娘は できあがってきた制服や帽子に自分のマークがついたり、名前がついたり、出来上がってきた袋物を見て 〝わー、ママかわいい!有難う〟と喜んだ気がする。でも 母にとっては罪悪感が残る巣立ちの春だった。

でも思った。すべて手作りじゃなくたっていいじゃないか、人間だもの。そして針と糸があればできる 刺繍に出会った。これだったらできそうだ。最初はイニシャルから。ちくちくと 一針一針縫い進めていく作業は、糸で字を書いているみたいだった。そのうちに楽しくなって いろんな色の糸がほしくなった。そしてまた出会った。

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ダルマさんのマークがなつかしい、ダルマスレッドの家庭糸。日本の地名から連想したカラーセレクト。たとえば、Hanayama =自然情緒あふれる花山の風景と崇高な色をイメージ。
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京都で丁寧に染めた糸、だそうです。この糸で布にどんな絵や文字、想いをつづろうか、考えただけでもわくわくしてきます。

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ダルマスレッドのHP の言葉たちも素敵。「靴下に穴が空いたら 五月の空の色で縫い閉じる。お気に入りのシャツにシミがついたら 夕焼けの色でステッチしてみる。」「100年以上に渡りダルマの糸が繋いできたのは 誰かが誰かを想う気持ち。そしてささやかな暮らしを愛おしむ気持ち。」などなど。

そしてその糸で、子供たちにメッセージをつづる。毎日使う 上履き袋に、〝自分の持ち物のしるし〟(似てない、わたしはもっとかわいい、と泣かれたりする。)
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みんなとおんなじ 給食着に オリジナリティを添えるとともに たくさん食べてね、残すなよ、のエール及びプレッシャーをプラス。
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幼稚園の学芸会的発表会に 桃太郎役になったと聞けば 衣装に 桃太郎でやる気スイッチをマックスに!(鼻がへんだよ、ママ→ほ、ほんとだね。)
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道具との出会いもまたたのしい。
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おわんのふたをあけると
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ぱっ、でた!一寸法師の針山でした。石川県の株式会社 ヒロさんのものづくり。

もう 始まっている頃だろうか お子さんの入園準備。そわそわしたあの頃の気持ちを この季節になると思いだす。お母さん 自信を持って、その時にできることを 精一杯やればいいと思います!
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大好きな映画の中の 大好きな言葉 〝ジェシーはあきらめない、ジェシーは道を見つける〟(トイストーリー ショートムービーより) 
 がんばれ、不器用組!