どこ照らしとんねん!
インテリアDIARY2018.12. 6
流行語大賞も決まり 師走感がいよいよ高まってまいりましたね。そだねー。例年より あったかい12月だ。朝起きて室内の温度が10度を下回る日がない。(家がアンティークのため断熱性に劣る)助かるー。この間なんて 日中22度でしたもんね。車の窓開けて走行しちゃいました。でも いよいよ 今週末 雪が降るのでしょうか。
先日 照明器具専業メーカー 大光電機さんのセミナーに参加してまいりました。題して ≪失敗しない照明計画≫。公共施設から住宅まで いろいろな施工事例を成功例や失敗例を織り交ぜながら 関西弁でわかりやすく解説していただきました。
失敗、わたくしも これまで 数々の失敗を繰り返してまいりました。よくよく考えて 照明計画をしたつもりでも 実際に 現場で点灯した照明を見て 〝どこ 照らしとんねん!〟ということから 暗すぎる、明るすぎる、器具のうつりこみ、仕上げ材との相性、器具同士、壁仕上げからの寸法の誤り、取付高さを誤り アタマぶつける→器具壊れる、もしくは取付高さ高すぎて メンテできない などなど。。。今 思い出しました!!弊社のモデルハウス建設に当たり 当時 照明メーカー勤務の時短スタッフ だったわたくしは ボスから照明計画を一任され張り切った。
当時 LEDはまだ 発売になったばかり、コストも高く 明るさも不十分 一般住宅には敷居の高い 器具であった。よって 主流の器具は蛍光灯。当時の最先端は Hf管というスリムな蛍光灯であった。こちらもハイプライスだったが。でも 間接照明自体の手法はもちろんあったので、 和室の天井を下げて間接照明をいれる設計、そこに蛍光灯の器具を仕込み 天井と壁に貼った竹を照らす ということになった。
そして いざ 点灯!すると なにやら ジーという薄気味悪い音がする、というではありませんか。これはなんだ?という話になり どうやら 器具と天井の構造からの共鳴音だということがわかり 器具を変更したのかどうかそこは 記憶が定かではない。。。インバータ式 選ばなかったのかなあ、コストを下げるために グロー式を選んだのだろうか。。。蛍光灯あるある でした。
今や住宅の照明はLEDが当たりまえ~当たり前体操、の時代。明るさも十分。コストも下がって、ダウンライトも定価で一灯3,000円クラスである。10年前は1灯2万円くらいした気がする。そして暗いのだ。レンズ感丸出しで見た目もかなり悪かった。それがいまや 光源の色も 昼白色→さわやかな朝の光 と電球色→夕暮れ時のおちついた光 の中間色、今までなかった 温白色→午後の心地よい明るさ まであるんですよ!
そして フルカラー 調光、調色ダウンライト なんてものもある。R(レッド) G(グリーン) B(ブルー) 光の三原色を組み合わせ、様々な色に フルカラーに調光できる というもの。日常の光と 非日常の光を演出可能姉妹です。
わお!N様邸リビングに施工。ブルーの光でリラックスしたり、しなかったり。。薪ストーブの炎とのコラボレーションが楽しみです。
話がそれたが、LEDの普及のおかげで ランプからでる発熱の問題もなく、器具自体がスリムになったため 設置寸法の最少化がはかれたりで 間接照明の可能性 照明手法の可能性はぐんと広がった。選択肢が多いというのはいいことだ。
照明計画で おうちでの過ごし方が変わったり、気持ちが豊かになったり 、人間の体内時計にも関わっていたり と様々な影響がある。あかりひとつで暮らしがかわるのだ。照度計算で標準照度を知ることは大切だが、数字では計れない、心地のよい明るさ、暗さ は人それぞれだ。
プロフェッショナル 仕事の流儀 で照明デザイナ- 東海林弘靖さん方のお仕事の仕方、照明に関する考え方を見ていて 印象に残った言葉がある「自らのアイディアを問うよりも 徹底して建物や人の立場に立つ。どんな歴史を持っているのか、使う人はどんな想いにひたるのか。人や建物がほしがっている光を探り出す。」照明デザイナーの仕事は 美しい影をつくることだ、ギラギらした光はストレスだ とも。
以前は1室1灯といってお部屋の中央にシーリングライトをどかんとつけて全体を明るくする手法が主だったが、今は1室多灯といって 1つのお部屋にダウンライトやペンダント ブラケットを複数灯つけて 壁スイッチやライトコントローラーでいろいろな生活シーンにあった照明計画をご提案するのが主流となった。
機能を超えて 心に作用するような 質の良い照明計画をご提案できるよう、まだまだ勉強は続く。。。
陰影礼賛。みなさんにとって 心地のいいあかりとは どんなあかりですか?